内診問題の真相

 当blogはアクセス数が過少なので,あまり効果はないかもしれないが,長文転載...しようと思ったら文字数オーバー.なので,前半だけ.後半(<堀病院事件、起訴猶予後の状況>以降)は以下のリンク先でお読みください.

転載元はこちら:
ある町医者の診療日記

参考:
診療補助を無視する国立大学病院看護師






内診問題の真相

医療法人オーク会
オーク住吉産婦人科
院長 中村 嘉孝


 当院は大阪市にある産婦人科クリニックです。これまで、医師5名で年間約600件の分娩を扱ってきました。しかしながら、この3月末をもって分娩の取り扱いを終了せざるを得なくなりました。大阪市南部の産科が次々と閉鎖される中、なぜ、民間施設である当院までもが、経営上の大きな痛手を負ってまでも分娩をやめざるを得ないのか、理由は「内診問題」です。

 去る2月12日に、同じ問題に苦しむ産科医が集まって「日本のお産を考える会」を発足させました。2ヶ月間に2500名以上の産科医の賛同を集め、来る3月22日(木)に厚生労働省に陳情に行き、記者会見を行う予定となっています。

 ご存知の通り産科医療の崩壊は、喫緊の社会問題となっています。しかし、崩壊の大きな原因となっている「内診問題」については、その背後にある利害関係が十分に知られていません。常識で考えれば、看護師による内診が行われなければ産科医療が成り立たないことは明らかなのに、なぜ、国民の生命を守るべき行政が、内診を違法と言い募るのでしょうか。

 この「内診問題」は、堀病院事件で大きく報じられ、横浜地検の起訴猶予処分によって、はじめて掘り下げた議論がなされるようになりました。しかし、いまだ内診問題の根深い病理が理解されているとはいえません。

 数十年来、当たり前のように行ってきた看護師による内診が、厚生労働省の一片の課長通達によって違法とされました。それでも、現場の産科医、特に地方の産科開業医たちは、妊婦を放り出すわけにもいかず看護師による内診に頼って診療を続けています。ただでさえ過酷な産科の診療を続ける中、「違法だ、違法だ」と言われ続け、怯え弱りきっています。検察ですら構造的問題だから可罰的違法性はないとせざるを得なかったのに、当の行政が硬直的に同じ法解釈を繰り返し、違法だと言い立てているのです。

 なぜ、このような異常事態になっているのでしょうか。妊産婦と新生児の生命に直結する問題なのに、なぜ、行政は実情を無視し、頑なに法解釈を変えようとしないのでしょうか。「守る会」の厚生労働省への陳情を前に、「内診問題」の真相を知っていただきたく思います。そして、このことが広く報道されることで、世論に是非を問うことができればと願っております。

<内診問題の背景>

 保健師助産師看護師法が制定された昭和23年から最近まで、産科医の診療を補助して、看護師がお産の進み具合をみること(内診)は、当たり前のことでした。ところが、いつ頃からか、看護協会や助産師会が、「助産師だけが内診できる」と主張するようになり、いくつかの医療事故について「陣痛促進剤の被害を考える会」が、「看護師に内診をさせた」と告発、厚生労働省の看護課長が、看護師の内診を禁ずる通達を出しました。

 一見すると、「被害者団体」の主張によって、長年の違法な慣習を改めさせるべく行政が動いた、と思えます。しかし、真相は単純ではありません。看護協会とその政治団体である看護連盟、南野智恵子議員を筆頭とする看護系議員、そして厚労省看護課による三位一体の活動が、その根本にあるのです。かれらは、「被害者の会」の活動に乗じて、助産師の権益拡大と看護職の地位向上という自らの隠された意図を実現しようとしているだけなのです。

 確かに、一連の通達は、それぞれ医療事故をきっかけとしています。ですから、行政が動くのは当然のように思います。しかし、産科はリスクの高い分野ですので、残念ながら医療事故も頻繁にあります。そして事故と看護師による内診とは、いままのところ、何の因果関係もないのです。さらに言えば、もっと安全に直結することで、改善すべきことはいくらでもあります。

 また、内診というと、大変高度な技術のように誤解されるかもしれませんが、膣内に人差し指と中指を入れて、子宮の入口が何センチ位開いているかを調べるだけで、術後のチアノーゼを観察や血圧の測定といった、看護師の通常の業務のほうが、よほど知識と経験を要します。また、分娩監視装置の判読は、心電図モニター以上に難しいものではありません。つまり、常識的に考えて、助産師でなく看護師が行ったとしても、安全上の問題など、あろうはずがないのです。これについては、産科婦人科学会も同様の意見を出しています。

 さらには、法律論からいっても、看護師が内診を行ってはならないという法律上の文言はありません。条文からは、看護師が産科医の診療補助として内診を行うことができると解釈できます。看護協会の顧問弁護士でさえ、その著書のなかで、看護師の内診に問題ないといっているのです。(「看護婦と医療行為 その法解釈」1997年、高田利廣 著)

 一方、助産師しか内診してはならないとすると、現在の助産師の数では、どう考えても足りないことは、周知の事実です。仮に看護課長通達が正しいものとしても、毎日の医療現場を維持することができません。この通達を強行することは、ただでさえ局所的に崩れつつある産科医療を、一挙に崩壊へと追い込むことになります。次々と公病院が医師不足で産科を閉鎖していく中、なんとか地域医療をささえている現場の産科医が、いままで当たり前に行ってきたことを、突然、違法だといわれて途方にくれています。ですから、業界団体である日本産婦人科医会や日本医師会が、再三、通達の撤回を求めてきました。

 では、現場の多くの産科医が途方にくれ、日本産婦人科医会、日本産科婦人科学会、日本医師会が、そろって反対する通達を、なぜ、看護課長は、強行するのでしょうか。なぜ、実情がわかっていながら、全ての産科診療所に通達を送りつけるという前代未聞の行動をとったのでしょうか。なぜ、現実の医療供給体制が破壊されようとしているのに、なぜ行政は立ち入り検査を強行したのでしょうか。なぜ、医療事故の原因ではない内診問題のためだけに、60人もの捜査員で家宅捜索が行われたのでしょうか。なぜ、強制捜査の新聞記事を行政がコピーし、産科診療所に送りつけたのでしょうか。そこには、看護協会の意向と政治があります。

 しかし、普通に考えると、看護師の内診を禁止することは、看護師の業務範囲をせばめてしまうことになり、看護協会や看護課長が、やっきになって禁止する理由がないように思えます。この一見、矛盾した構図を理解するためには、看護職の複雑な心理的背景を知る必要があるのです。

<看護職の特殊な心理>

 看護協会の活動の中心は、常に、看護職の地位向上運動にあります。世間では、医師の診療補助をするのが当たり前と考えられ、法にも、それが業務として謳われています。しかし、「看護師は独立した専門職であり、医師と対等の職種である。医師の補助職ではない」というのが、彼らの主張の根幹なのです。たしかに、かつての看護師の社会的地位を考えると、地位向上にやっきになることは理解できないわけではないですが、あまりに時代錯誤であり、また、「診療の補助は、看護師の本来の仕事ではない」という主張は、見当外れだと思います。

 実は、内診問題と同じような問題に、静脈注射についての通達があります。かつて「看護師が静脈注射をするのは保助看法違反である」という厚生省の通達がありました。もちろん、現実には遵守不能で、最高裁判決でも違法でないとされました。ところが、公的病院の看護部は、通達を盾に「静脈注射は医者の仕事である」として、絶対に注射をしようとはしませんでした。「看護師の本来の業務は看護であって、医者の手足として働いてはいけない」という主張です。

 この通達は数十年を経て、やっと平成14年に実態に即した変更がなされました。しかし大病院の看護部は今なお反対し、それをどう受け入れるかについて議論があります。看護協会にとっては、医師から独立した専門職として社会的に認知されることが、大命題なのです。とくに大病院の管理職の看護師は、常にこの意識にさいなまれています。

 また、厚労省看護課通達の保助看法解釈が正しいとすれば、新生児看護も、助産師しか行ってはいけないことになります。とすれば、NICU(新生児集中治療室)の看護師は、違法ということになるはずです。しかし、それについては、誰も問題にしないのです。なぜなら、NICUがあるのは、公的な大病院で、看護師が医師に対して比較的、独立した強い立場にあり、看護師が高度な専門業務に従事しているという認識があるからです。

 要するに、看護職には、独立開業権を持ち、医師の指図を受けずに医療を行うことができる助産師というエリート職種がある。ところが、開業医や中小病院では、准看が医師の手足として内診をしている。患者は、エリートの助産師と准看との区別がついていない。けしからん、という話なのです。

 さらに複雑なのは、助産師は独特の分娩観をもっているということです。奇妙な呼吸法や世界に類を見ない乳房マッサージ、生まれてすぐに母子が裸で抱き合うカンガルーケアなど、単なる正常分娩に、様々なこだわりをもっています。非科学的で馬鹿げたことが多いのですが、近代医学に対するアンチテーゼであるため、マスコミにも好意的に受け止められることが多く、産科医としては、あまりに非科学的な話と思っても、否定的なことが言いづらいのです。

 しかし、医療の安全にとって重要なのは、いろいろなケアをしてくれるスタッフではありません。大量出血などの緊急時に、医師の手足となって指示を遂行してくれるスタッフです。看護職が医師に意見をするというのは、専断的な医療行為を諌めるのに大事だというのが、現在のマスコミにおける主流の意見ですが、現実には、手足となって機敏に動いてくれる看護師の方が、はるかに安全なのです。

 実際、このような例があります。ある小さな病院で、助産師を採用しました。入職の条件が「会陰切開の判断は、自分に任せて欲しい」というものでした。公立の大病院に勤めていた方で、「もっと会陰保護をすれば切開しなくてすむのを、医者が切開してしまうのが嫌だった」とのことでした。准看がほとんどだったその病院は、助産師がどうしても欲しかったので、その条件を受け入れました。あるとき、全くの普通のお産がありました。彼女は長い時間がんばって、妊婦にいきまぬよう励ましながら、会陰保護をしました。おかげで初産にも関わらず、無傷でお産になりました。しかし、赤ちゃんは脳性マヒになりました。低酸素血症は、臍帯血から明らかでした。

 いうまでもなく、助産師だけが勤務する病院でも、いくらでも医療事故がおきています。もっといえば、助産院では、あまりにレベルの低い重大事故が多数あります。また、助産院でも子宮収縮剤の投与など、助産師に許されていない明らかに違法な医療行為が、日常的に行われています。しかし、驚くべきことに、それらについては、誰も問題にしようとはしないのです。それどころか、看護協会は、助産師にできる医療行為を拡げるように活動しているのです。

 看護協会は「看護師による内診は違法」だと看護課と一体になって言い募る一方、分娩施設減少の解決として、「院内所産院」、「助産師外来」などの助産師の活用を主張し、強力な広報活動を続けています。彼らにとっては、患者の命よりも、自分たちの地位向上が優先するのです。久常節子看護協会会長は、今年の年頭所感で、本年度の重点事業の第一を「助産師の専門性の強化」としています。

 看護協会の身勝手な活動の例は、他にもあります。東大病院までが地方から看護師をかき集めると社会問題となった「7対1」の強行についても、次のように述べています。

 「昨年は診療報酬改定で、7対1入院基本料が新設されました。「看護師争奪戦」などとマスコミでも騒がれていましたが、手厚い看護配置への改善は、良い改革であることは事実。看護師確保困難の混乱の一部だけを見て、本来の改革の意図まで否定することは問題だと考えます。一番重要なのは、本質は何なのかということ。今の混乱は、改革プロセス上の一時的な現象であるととらえることです。「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」という言葉がありますが、働き続けるためには、ライフステージに応じた「仕事」と「生活」のバランスをとる必要があります。
これまで看護職は、夜勤ができて、どんな超過勤務にも耐えられて…と仕事ばかり期待されてきました。」

 つまり、看護師の待遇向上のためなら「一時的混乱」があっても構わない、ということです。地域医療の危機を前に、これが、責任ある職能団体の長の発言といえるでしょうか。

<開業産科医と助産師の関係>

 それでも、開業医の多くは、助産師を採用しようと努力していました。というのは、娩出(赤ん坊の取り上げ)自体を任せることができるので、遠出をして医師が不在の間にお産になっても助産師がとれば保助看法上は違反にならず、医師の自由度が上がるからです。また、助産師を雇うことで医師が当直せず、宅直で呼ばれたときだけ出て行くところもあります。のみにこれは、安全に直結する明白な違法であるにもかかわらず、全く問題にされていません。また、病院では他の科の医師がいれば、形式上は当直医がいるため違法ではありません。現実には産科医が緊急の対応をするのに、宅直中に飲みに出かけるといったことは日常茶飯事です。信じてもいない助産師の非科学的な分娩観に迎合し、自分が楽をするために助産師を集めているところが評価され、看護師とともに医師が貼りついているところが非難を受けるという理不尽がまかり通っているのです。

 また、助産師は開業医の横暴にがまんを強いられているかのようなイメージをお持ちの方が多いようですが、助産師は決して社会的弱者ではありません。むしろ逆です。助産師を雇っているところは、たいがい滅茶苦茶な勤務条件を呑んで、機嫌をとりながら働いてもらっているのです。ですから、「賃金が高いから助産師を雇おうとしない」という意見は、明らかなあやまりです。看護師の給与水準でも、相当に高いのです。わずか月数万円の違いで、あえて法律違反を犯そうとは、誰も思いません。

 しかし、どれほど求人広告をかけても応募がなく、まれに応募者があっても、日勤だけの希望や母親学級の指導だけしたいというケースが大方なのが実情です。当たり前の話ですが、産科が閉鎖された公的病院の助産師は、町の開業産科医に勤めたいとは思わないのです。看護師として、公的病院にとどまる場合がほとんどです。

 さらに言えば、小さな病院や診療所で、実質的に夜勤を支えているのは准看護師です。しかし、ご存知の通り、准看の廃止は看護協会の長年の活動目標です。要するに、「准看がいるために、自分たちまでが低く見られる」というのが彼らの主張ですが、現実に地方の医療の現場を誰が支えているのか、本当に真夜中も患者に寄り添っているのは誰なのかを、協会は無視しています。看護職を希少価値とし、より高待遇を引き出すことを活動目標としているだけです。

<厚労省医政局看護課の特異な性格>

 厚生労働省の看護課長というのは、看護技官の指定ポストで、中途採用で入省する特別な枠です。任命には、看護連盟の意向が反映すると言われています。行政官には、当然のことながら、まず公平性、中立性が求められますが、看護課長の経歴を見ると、看護職の地位向上にことが及んだとき、冷静かつ中立的な立場が保たれるとは考え難いのです。

 一連の通達を出した、田村やよひ前看護課長の経歴をご覧下さい。1948年静岡県生まれ。69年東京大学医学部付属看護学校卒、70年神奈川県立公衆衛生看護学院卒、76年法政大学社会学部応用経済学科卒、90年聖路加看護大学大学院看護学研究科修士課程修了、93年東京大学大学院医学系研究科博士後期課程修了。76年筑波大学付属病院看護婦長、79年より筑波大学医療技術短期大学部看護学科にて助手、講師、助教授を歴任。93年厚生省入省、健康政策局看護課課長補佐、97年看護研修研究センター所長を経て、99年より厚生労働省医政局看護課長。

 看護系議員の清水嘉与子氏も看護課長出身で、東京大学医学部衛生看護学科卒、関東逓信病院看護婦長、東京大学医学部文部教官を経た後、厚生省看護課長となりました。

 看護協会会長の久常節子氏も看護課長出身です。高知県立高知女子大学家政学部衛生看護学科卒業、大阪市立大学家政学部社会福祉修士課程修了、大阪府で保健師として勤務した後、国立公衆衛生院衛生看護学部主任研究官、カリフォルニア大学博士課程の後、厚生省計画課保健指導室長、看護課長となっています。そして退官後、慶應義塾大学看護医療学部教授となり、平成17年より看護協会会長です。

 また、久常節子氏は著書の中で、看護課長になる前から准看を廃止しようと思っていたこと、准看廃止が最大の目標であったこと、それが日医の反対でうまくいかなかったことを恨んでいることを、繰り返し述べています。要するに、厚生労働省医政局看護課は、看護協会、看護連盟の出先機関でしかなく公正中立な行政機関とはいえないのです。看護課長が各議員を回り、看護協会の意向を受けた政策に強引な同意を求めるということについて、国会で民主党議員が抗議の質問をしたことさえあります。

 大病院でも看護部は強大な力を持っています。大学病院の総婦長が、他部署はおろか院長でさえも手出しができない存在であるのと同様に、恐らく、厚生労働省内でも看護協会と看護系議員をバックにつけた看護課は、局長ですら手出しができないのだと思います。在任期間を考えても、医政局長は2年で次々とかわりますが、田村課長は8年もその職にありました。

 事実、日本医師会が医政局長に説明を求めたところ、「預かり知らないところで、看護課長が勝手に通達を出した」としています。省に持ち帰ってからの責任論では、「厚生労働省全体の責任です」という話に変わってしまいますが、それには政治力が働いたと考えるべきでしょう。通達の直前まで、南野智恵子議員は厚生労働副大臣でした。

 さらには、「陣痛促進剤の被害を考える会」の出元明美氏は正看護師です。出元氏は、再三、准看護師を貶める発言を行っています。また、看護協会は報道向けの資料として、彼らが作成した資料を用いています。国会で内診問題について質問に立ったのは、助産師である南野智恵子議員です。通達、検査を強行したのは、田村やよひ看護課長です。医療安全のあり方が社会問題になっているのを利用し、医療事故にからめて被害者の会が追求、これを国会で取り上げ、看護課長が通達を強行する。これでは、マッチポンプです。彼らは、現実の医療供給体制が崩壊しようが、お構いなしなので、あまりに、社会的に無責任な行動です。

 看護協会は単なる職能団体ではありません。政治団体であり、労働団体である上に、被害者団体とも通じ報道操作に長けている、最強の団体です。しかし、それだけなら、彼らの手腕に驚嘆するだけのことです、問題は、看護協会が行政内部に看護課長という看護行政の最高ポストをほしいままにしているという事です。保助看法を所掌している看護課の最高責任者であるから、独断で通達を強行できたのです。

<厚労省看護課の犯罪>

 実際、看護課の異常性を示す事件がおきました。日本産婦人科医会には、会員専用のメーリングリストがあります。持ち出し禁止のクローズドのメーリングリストであるため、内診問題でも非常に活発に本音の意見が交わされ、医会が内診問題についての要望書をつくる原動力となりました。

 昨年8月24日の堀病院事件の直後、会員から次々と速報が寄せられました。一人の会員が、「自分のところでも看護師が内診しているが、このままでは、お産をやめざるを得ない」と書いたところ、匿名で「うかつなことは書かぬほうが賢明と思われます。」というメールが入りました。

 匿名であることと、あまりに異様な雰囲気であったことから、不審に思ってIPを調べました、すると、驚いたことに厚生労働省から送られたメールであることが判ったのです。

 その後の調査の結果、厚生労働省看護課主査であった阿部みほか氏が、この会員専用のメーリングリストに、厚労省内のコンピュータからヤフーのフリーメールを使って会員を装い、不正アクセスをしていたことがわかりました。

 阿部みほか主査は、前助産師係長であり、内診問題のまさに、担当者です。その当事者が、「自分のところでも看護師が内診しており、このままでは、お産をやめざるを得ない」という現場の産科医の声が広がるのを封殺しようと、不正アクセスをしてまで、これに対し「うかつなことを書けば、標的にされるよ」と、心理的圧力を加えたわけです。

 その後の反応時間の早さなどから、主査はメーリングリストを常時監視していたと思われます。また、省内からアクセスしていることから、看護課が組織的に行っていたと推測されます。

 看護課は、いきなり実現不能な通達を出して検査を強行、多くの善意の産科開業医を突如として犯罪者に仕立て上げ、恐怖で発言不能な状況に追いやりました。クローズドのメーリングリストであっても、発言には勇気がいります。しかし、その勇気ある発言には、不正アクセスをおこなってまで監視し、あろうことか、「標的になるからやめるように」と、会員を装った不正な投稿で圧力をかけたのです。これは、国家権力の犯罪です。
[PR]
by E_physician | 2007-07-06 22:42 | 医学・医療一般


<< あったらいいな このCMは夢じゃないかも >>