高齢者CPA≒寿命

さすが2ちゃんねるでは本音のオンパレード.

救急医療崩壊 「死後硬直しているのに心臓マッサージ」浪費される救急医療資源が「受け入れ不能」を増やす マスコミの言い分に従えば、マスコミ関係者と心肺停止の高齢者が同時に搬送されるときは是非「心肺停止の高齢者を優先」してほしいらしい→宮沢賢治『ツェねずみ』はこの事態を予見していたか

高齢者CPA搬入後のよくある風景;

死後硬直・死斑があれば,さすがにCPRはしない.「すでにご自宅でだいぶ前に亡くなっていて,時間が経っています」

死体徴候がなければ一応CPRはするが,まぁ研修医のACLS実践編,というのが実状(研修医のいる救命センターならまず間違いなく).気管挿管なんか,まだ麻酔科ローテ終えてない研修医でもやるし,心マは見学に来てる学生にやらせたりする(丁のいい労働力).もちろん指導医がついてるし,ふざけてやるわけではない.きちんとお作法に則って行なうわけだが,この命 絶対 助けるぞ!なんて誰も思っちゃいない.なもんで,心拍再開した暁には,誰ともなく,つい「あ,戻っちゃった」なんてつぶやきが聞かれるのもごく普通の日常(ACLSコースだと「心拍再開しました!おめでとうございます!パチパチパチ...」なんだが).

CPR継続の目安は20-30分程度(搬送時間で既に20-30分経過しているなら,さらに短い).挿管して,ライン取って薬剤入れて,胸写で挿管チューブの位置確認して,採血して,なんてやってるとだいたい程よく20-30分は経っている.あるいは動脈血ガスでpHが6.30とかK+が8.9とか,おおよそ生きた人間ではあり得ない値だったりしたら,おもむろに家族を呼び入れ,死亡確認.

時に来院後20-30分CPRした後でも「あともう少しで息子[娘,孫,弟,etc.]が来るんです,今こちらに向かってるんです(それまで...)」なんてケースは,じゃあ息子さんが来られたら死亡確認(という儀式を)しましょう,と言ってそのまま(心マはしない).人工呼吸器だけがスーハースーハー(←うまく形容できない...)動き続ける.だって,さらに30分も40分もご遺体に対して心マし続けるほどのマンパワーないんだもん.

この高齢者蘇生後(“戻っちゃった”場合)の行く末がまた悩みの種.病院によってどの科が入院担当するか,おおまかなルールが決まってはいるが,どの科にとっても正直ハズレクジみたいなもの.「あーぁ,蘇生させられちゃって」なんて言われたりするし(ごもっともです).場合によっては長引いたりして,でも呼吸器外せない深昏睡の高齢者なんて転院先探しは絶望的.「不良債権」などと揶揄される所以である.

いくつかの救命センターで勤務してきたが,どこも似たり寄ったり.

だから,こういう場を経験した医療関係者のほとんどは,自分の身内には絶対こういうことしないって心に決めている.
いや,こんなの経験しなくったって,昔の日本人は(すごい田舎や離島なら現在でも),高齢者を「自然に見送って」あげていたのに.


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注:写真と本文は関係ありません
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by E_physician | 2008-01-14 22:35 | 救急


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