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悪魔の囁き

最近せっせと自炊している.ご飯じゃなくて,書籍の方だ.捨てようかどうしようか迷うような(なら捨てる,のが本当は正解なのだが),めったに開かない医学書の類も,バンバンぶった切って,本棚をカラにしている.
今はまだ医学書は電子版より紙版の方が圧倒的に多いが,分厚いのと,検索することが多いのとで,電子版が主流になるのもそう遠くないのではないかと思う.救急分野では例えば,Tintinalli's Emergency Medicineなど,厚さ7cm,重さは2kgくらいはあろうか.本棚から取り出すだけでも億劫だし,とても寝転がって読めたもんじゃない.

よくテレビの医学ネタ/ニュースで,お偉い教授先生が取材に答える時,専門書がズラリと並んだ書棚が背景になっていることが多いが,ほとんどの専門書が電子化される時代には,背景にはiPadとかの電子端末がポツンと1つになるのだろうか?

日本は母国語の医学書が多数存在する希有な先進国である.医学書はそもそも,マーケットが小さく,書籍の値段は非常に高い.想像するに,医学生向けの医学書の売れ行きは今後激減するのではないか? 推奨しているのでは決してないと断っておくが,学年で1冊 共同購入して自炊すれば(もちろん著作権法違反)...こういうこと考える奴は絶対いるだろうし,1万円の書籍が¥100の負担で電子版(=違法コピー)が入手可能となれば,そっちに傾くのは想像に難くない.
これを防ぐには,スキャンすると「複写」とかの文字が写って読みにくくなる加工をするか,ダウンロード不能な(可能か?)web版にして,閲覧権を販売するとか?
あるいは,UpToDateやMDConsultみたいに,医学生向けの教科書をバンドルして年会費制にするか.

医学生は勉強が忙しくてバイトもあまりできなくて,しかも書籍費は膨大で,苦学生には本当に辛いものがあった.国試が終わったときに,医学部6年間で購入した書籍費(一般教養から国試対策問題集まで)を合計してみたら(ヒマだな)...約70万円だった.医学生当時 違法コピーという悪魔の囁きがあったなら,自分も間違いなく堕ちていたと思う.
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by e_physician | 2011-02-16 03:01 | 医学・医療一般