ホテルのセキュリティって...?

 今からおよそ10年ほど前,アメリカのある有名なホテルに宿泊した.そのホテルの鍵は,クレジットカード位の大きさの硬質の光沢紙に小さな孔がボコボコ開いているもので,それを水平に差し込むことでドアが開く仕組みだった.客が入れ替わる度に孔の位置の組み合わせが変わり,セキュリティ上,安全ぽく見えた.また,日本の多くのホテルのように,フロントでいちいち鍵を預けたり受け取ったりしなくていいという利点はあった.

 さて,チェックインしていったん外出した後,ホテルに戻り部屋のドアを開けようとすると,まったく解錠しない.困り果ててフロントに行き「1535室(←まぁ,こんな風な数字だった)だけど,カード差し込んでも全然開かないんだけど」と言うと「じゃあ,新しいカードキーを再発行します」といって,新しいカードを渡された.それを持って1535室のドアに差し込むと,今度は問題なく,ドアが開いた.しかし...

 自分の部屋に空き巣が?!と,ショックのあまり声も出なかった.なぜなら,入ってすぐのところに開け広げてたはずのスーツケースがなかったからである.しばし呆然と立ちつくし(その間 20秒間くらいだったろうか),改めて部屋を見渡すと,自分の置かれた状況がようやく理解できた.

 それは私の部屋ではなかったのである! つまり,自分の部屋が1535室だと勘違いしていただけだったのだ.奥の方で人の気配がして(どうも奥の間で人が寝ていたらしい)慌ててドアを閉め,フロントに駆けつけた.

 事情を説明すると,名前を聞かれ「あなたの部屋は1545室です」と冷たく告げられ,蔑むように私を見ながら新しい鍵を渡された.私はといえば,ただひたすら平謝りで,恐縮するばかりだった(この時はおとなしい日本人だったんだなぁ).

 だが....後でよーく考えてみると,謝る必要は何もないことがわかってくる.そもそも相手が誰かをろくに確認もせず,新しい鍵を簡単に渡すこと自体が問題なのである.

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 なぜこの件を思い出したかというと...先日 出張で日本の某ビジネスホテルに泊まったとき,外出から帰ってフロントで「503号室です」と言うと「鈴木様(仮名)ですね?」と簡単にキーを渡されたからだ.何百人もいる宿泊客の顔を全部覚えているわけでもないだろうに,他人が現れて適当に「×××号室です」と言えば,すぐキーを渡すんなら空き巣は簡単だよなぁ.
 後でメールで問い合わせをしたら「今後はお客様にお名前を言って頂くように改善します」とのことだったけど.

 さらに,これもつい先日だけれど,某有名温泉地のかなり老舗の旅館(客室数20室ほど)でのこと.外湯から帰ってきて,お酒も入ってて部屋番号がちょっとあやふやになり「えーっと,部屋番号ちょっとあやふやなんですけどー,確か13号室だったかな? 角にある部屋で,12畳くらいの広い部屋で...代表者名は鈴木(仮名)なんですけど...」とできうる限りの説明をしたら,番頭さんみたいな人がすぐ鍵をくれた.で,これまた別の部屋だったんだよなー.この時は,部屋番号を頼りに廊下を歩いたら,明らかに全く別の部屋だったから,すぐフロントに戻って取り替えてもらって事なきを得たが...

 たまたま私の運が悪いんだろうか...
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# by E_physician | 2005-05-16 22:16 | その他

医療ドラマの功罪

 久しぶりに会った友人から「『救命病棟24時』観てたけど,MEGUMI扮する看護婦さんのああいうヘアスタイルって,OKなの?」と聞かれた.一般の人でもやっぱり違和感を感じるんだなぁ.

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 実際には こういうヘアスタイルを許可している病院はまずないだろう.まともな病院なら. 師長さんは結構厳しそうなキャラだったけど,ヘアスタイルにだけは寛大だったのだね.



 医療ドラマにはいつものことだが,大災害というちょっと特殊な状況とは言え,何だかなぁもう・・・ってシーンがわんさか.そういう意味では医療関係者が観ると(あれこれ野次れて)おもしろいんだけど,一般の視聴者へ与える影響(誤解)を考えるとかなり罪深いドラマである.
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# by E_physician | 2005-05-08 22:54 | 救急

最近見つけたスグレモノ  ネームオフ

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ダイレクトメールとか,宛名そのままで封筒をゴミ箱に捨てるのはちょっと気になるけど,シュレッダーを買うほどでも... で,見つけたのがこれ.孔開けパンチの応用で,パンチ孔が7つ並んでいる.2列くらいガチャガチャやると,宛名部分をボコボコにできるので,安心して捨てられる.

大きい封筒でも個人を特定できる部分って,宛名部分くらいだから,個人ユースにはこれくらいで充分である.

紙をシュレッダーにかけると繊維がズタズタになり,再生できないと聞いたことがあるけど,本当なんだろうか.確かに紙を破く時,スーッと裂ける方向とそうでない方向があって,繊維の向きがありそうだが.その点でもこれは有用だと思う.

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注:アフィリエイトではありません.
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# by E_physician | 2005-05-07 00:51 | その他

薬物依存症

 前の記事でペンタジン中毒と書いたが,正しくは「薬物依存症」である.

 ペンタジン(一般名:ペンタゾシン)などの鎮痛剤依存症の患者さんについては,現状ではほとんど受け皿がないといってもいいだろう.基本的にこういった患者さんは時間外を受診する.依存症という意味では精神科領域であるが,緊急性がない(自傷他害の恐れがなければ)ため,精神科医が時間外に対応してくれることはまずない.かといって,後日 精神科を受診するよう指導しても,まず行ってくれない.家族を指導しようにも,ほとんどの場合 単独受診.当院で注射を拒否しても,あちこちの救急外来を転々とするうちに,気軽に注射打ってくれる病院に行き当たってしまう.極端な例では,日本全国 行脚している人も.
 
 一方で真に疼痛管理を必要とする患者さんもいるが,依存症を疑われて,すぐには鎮痛に対応してもらえない,という状況もある.
 
 現状では,救急外来でできる対応は「絶対に打たないこと」くらいである.
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# by E_physician | 2005-05-05 02:03 | 救急

ペンタジン中毒

続 痛みの話

さて・・・疼痛コントロールはどうしますか?

①ロキソニン内服、ボルタレン座薬などから
②紹介状どおりソセゴンをうつ
③ペインクリニックにコンサルトする。
④それ以外


①and/or③ですね. 実際問題として,②やっちゃうとリピーターになりますから.

現実に,どうにもコントロールできない疼痛もあるかとは思いますが,慢性疼痛の急性増悪(?)なのか,ペンタジン中毒の類なのかを判断するのは困難なので,その場は①でしのいで,③を勧める,しかないと思います.

当院救急外来にこのテの紹介状もってくるのは,ほぼ全例ペンタジン中毒ですけどね.
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# by E_physician | 2005-04-25 02:04 | 救急

natural dining?

 近所に,*ea*sという店がある.看板には natural dining ★ deli & cafe とあり,有機野菜を使用した家庭料理風の和洋食がウリと思われる.しかし,残念なことに,禁煙ではない.

 狭く細長い店内は,テーブル同士の間はわずか50cm程度で,隣で一服やられたらひとたまりもない.一番奥の4人テーブルが“禁煙席”となってはいるが,仕切りすらなく,ただ単に“そのテーブルでは吸ってはいけない”というだけのこと.入り口付近に換気扇があるから,奥の方には煙が行かないだろう,という安直な考えのようだ.

 できるだけ空いてる時間帯を狙って煙害を被らないようにしたいのだが,それでも必ずしも自由に座れる訳ではなく,座席を指定されてしまうこともある(絶対に満席になることはない時間帯なのに). 挙げ句の果てには「この店は禁煙じゃないのでー」(タバコが嫌いな客として顔は覚えられているようで) ・・・もう二度と行かないことにした.

 いくら有機野菜を使おうが,タバコの副流煙吸わされたらねぇ...残留農薬なんて,タバコの害に比べたら屁みたいなもんなんだけど.健康に留意しているんじゃなければ,有機野菜使用ってのも,客寄せのための単なるファッションとしか言えない.店内の客の喫煙率からすると,全面禁煙にしたら経営が成り立たなそう,というのが現実なんだろうけどね.

 そもそも,食事屋さんて,せっかく作った料理を,香りも含めておいしく味わってもらおうと思わないのだろうか.寿司屋(だけじゃないが)に香水プンプンさせて行くのはマナー違反なのに,何でタバコはOKなのだろう.同じくらい悪臭だと思うけど.

 ひょっとして,天然葉タバコから作られたタバコもnaturalってことなんだろうか.それで“natural dining”だったりして...

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# by E_physician | 2005-04-23 17:05 | 禁煙

AT YOUR OWN RISK

 鹿児島の防空壕跡で中学生がCO中毒で死亡した事故は,実に痛ましいものである.しかし,防空壕を埋めてしまえばそれでOKというものでもない.

 身の回りには危険なものがいっぱいある.ちょっと地方にいけば,ため池や泳げそうな川,深い森.それら全てを,防空壕を埋めるように,子供達から遠ざける訳にはいかない.ちょっと危なそうだから,探検してしまうのだ.どうしたって危険を完全に取り除くことはできないのだから,危険に対してどう対処すべきかを教えるのが大人の役割ではないか.

 火遊びは危険,小さい火でも消し忘れると山火事になったりする,締め切った場所で火を使うと一酸化炭素中毒になる,ため池はプールと違って急に深くなったり藻が茂ってたりして溺れやすい...こういったことは,教科書には書いてないし,道徳の時間にも教わらないだろう.現代の親は教えてくれるだろうか.生きていくためにはとても重要なことなのに.

 何でも学校で教えるのはどうかという意見もあろうが,性教育だって学校で教えるんだから,こういう生きていく術をsystematicに教えてもいいんじゃないだろうか.例えば,服を着たままプールで泳がせて,いかに泳ぎにくいかを実感させたり,服のままで水中に落ちたら,どうすればいいか教えたり.性教育と同じくらい大切だと思うけどなぁ.

 防空壕を埋めたところで,子供達は次の冒険場所をきっと探し出す.この年代の子供達を部屋に閉じこめておく訳にもいくまい.だったら,自分の身は自分で守る,その方法を教えるのは大人の義務だろう.


 と,山の中を走り回ってクワガタ探し,マムシを踏んづけそうになったこともある子供時代を過ごした私は思った(要するに田舎もんってことだ).

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 この写真は,ハワイ島のとあるビーチにあった看板.アメリカでよく見かける,決まり文句の標識だ.
 ちなみに,ここのビーチのトイレには,ドアがなかった.これもAT YOUR OWN RISKってことか...
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# by E_physician | 2005-04-12 23:26 | 教育

医学生 3人寄れば 烏合の衆

 当院は名前(だけ?)は有名な臨床研修病院なので,多数の学生が見学に来る.中でも救急部は人気が高い.しかし,ほとんどの学生は救急に興味があるわけでも何でもなく,「見学に来た」という既成事実を残すために来ているようだ.マッチング導入により見学希望の学生は今後も倍増すると予想(危惧)される.

 春休み・夏休み中はどうしても見学の学生が多くなる.見学者を制限せず,広く見学の機会を提供しようという思いからだ.しかし,患者が救急車で搬送されてくると,医学生達はズラーッと患者を取り囲む.基本的に,医師が1-3人,看護師1-2人が診療にとりかかるのである.これにさらに白衣の学生が加わったら... 病院に運ばれて,白衣の集団にいきなり取り囲まれたらどんな気持ちか,想像もつかないのか,あるいは想像しようともしないのか.これは大学病院の「白い巨塔」回診の弊害としか思えない.3人以上学生がいる時は,この「ズラリ取り囲み現象」が確実に見られる.こちらが注意をしなければこの現象は100%確実に発生する.今のところ例外はない.先週はあらかじめ注意したにもかかわらず,3日目頃にはもう患者を取り囲んでいた...

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 一昨日は,仲良し二人組(女子学生)が見学に来ていた.レントゲン撮影室前の(患者用)ベンチに座っておしゃべりに興じた上,ガムを取り出して食べようとしたらしい.ナースが見かねて注意したら
 「あ,やっぱりダメですかー?」
ガムは諦めたものの,おしゃべりは続く.同僚の医師Y(普段は穏和な女性医師)が
 「興味ないなら,帰っていいよ」
と言うと
 「じゃあ,見ます.」
しかし,いつのまにかいなくなっていた.見学終了時には,氏名・大学名・感想を記載して帰るように指示されたにもかかわらず記載なし.帰ります,とか,お世話になりました,等の挨拶もなく...

 春休みが終わり,束の間のほっと一息である.
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# by E_physician | 2005-04-11 00:41 | 教育